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テイルズオブ  

今宵、月が見えずとも ―Side Tear― Act3

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なんとか、ルクティアに纏まりました。
もっと、エピソードは思いついたのですが、長くなるのでボツにしました。

ルーク君の容姿は予約特典DVDで言われている通り、ハンサム設定です。
短髪は可愛い系に見えるのは、私だけではないはず………。
悪名高い『親善大使』の彼よりも、少年期のアスベルの方が、可愛くないくそガキに思えたのは、
私だけかもしれない^^;



Act3

 

「ティア、どうしたんだ?」

 いつの間にか、足が止まっていたらしい。気がつくとルークが振りむいて、数歩先からこちらを見ていた。

「…い、いえ。なんでもないわ…」

 まさかルークと自分の開いた距離を考えていたとも言えず、ティアは口ごもった。

それを見たルークは一歩だけ戻ってくると、頭の中に疑問符が浮かんでいますという表情で、首をかしげる。その姿は髪を後ろで結っているせいで、癖のある前と横の髪だけが見えて、以前のルークの髪型とよく似ているようだ。

ティアはそんなルークに懐かしさを感じながら、あの時とは違うと認識していた。今のように考えがすぐ表情に出る処は変わっていないが、その貌はどこか大人びて見える。確実に月日は流れていると、そんな事でも実感させられた。

ルークはそんなティアをしばらく見つめていたが、なにかに気づいたようにあっと小さく声を上げた。

「ごめん!俺、気がつかなくってさ…」

 急に謝られて、ティアが面を食らっていると、ルークが苦笑いをしながら、髪に手をやった。

「ドレスって歩きにくいんだろ。それなのに、俺なんも考えずに歩いちまって――」

 ルークはティアが離れた原因は、自分にあると考えたらしい。ティアはその勘違いを正そうと、首を横に振った。

「ち、違うの…。ただ、ちょっと疲れただけよ。すごく、人が多かったから」

 とっさに思いついた言い訳だったが、ルークは納得したようだった。あたりを見渡すと、手ごろなベンチを指差した。

「あそこに座わって、ちょっと休もうぜ」

 そう言うと先に行ってしまう。疲れたといった以上、反論も出来ずにティアもルークに続いてベンチに向かうしかない。

「ティア、ちょっと待った」

 ルークはレディファーストを実践して、まだ座っていなかった。ティアが先に腰を降ろそうとすると、ルークに止められる。ティアが何かと思って動きと止めると、ルークはポケットからハンカチを取り出して、ティアが座ろうとした場所をさっと拭いた。

「もう、座っていいぜ」

 もちろんそれは、貴族の令嬢に対する礼儀の一つに過ぎないとはわかっている。けれど、ルークが当たり前にそんなマナーを身につけていた事に驚く。

 ルークは足を投げ出すようにベンチに浅く腰を降ろすと、背もたれにもたれかかった。そして正装の襟を片手でくつろげると、大きく息を吐いた。

 正装に相応しくない、だらしない姿勢とくだけた言葉使いだが、ティアは注意せず隣に腰を降ろした。それが自分に気を許している証明に思えて、少し嬉しくなる。そして以前と変わらないルークを見て、すこし安心したのも本音だった。

 

 そうして、お互いの近況かねた雑談をする。おおよその事は聴いて知っていたが、やはり直接会って話すのとは違う。

「でもさ、ほんとはびっくりした。ティアが別人みたいで――」

「それは、ドレスのせいでしょ。それに髪も結っていたから、イメージが変わって見えたんじゃないかしら――」

「そっか…。だけど、俺はこっちの方が好きだな」

 無自覚な台詞に、ティアは思わず赤くなった。頬が火照っているのが、はっきりとわかる。どぎまぎしながら、さりげなく躯をひねって、ルークから距離をとった。

 これ以上ルークが何か言われると、心臓が持ちそうにないと思ったティアは、自分から話をする。

「あなただって、様になってたわよ」

 ティアがそう言うと、ルークは褒められたのが嬉しいようで笑った。以前の彼なら、褒められても照れが先に立って、素直に笑ったりはしなかっただろう。

「…まるで、知らない人見えたわ…」

 思わず零れた呟きがルークに聞こえないように、話を続ける。

「大佐だって、あなたが頑張ってるって言ってたわよ。ガイなんて、涙ぐんでたもの」

「なんだよ、あいつは俺の親かっつーの」

 ルークの突っ込みに、ティアは笑いを堪えるしかなかった。

「――ティアもさ、貴族教育っていうのを受けたんだろ?」

 うんざりしたようにルークが尋ねるので、彼にとってはかなりハードだったのだろうと想像がついた。

「だけど、あなたのように短期間ではなかったから、それほどではなかったわ。ある程度の事は学んでいたし――。あなたこそ、大変だったでしょう」

「――大変つうより、やるしかなかったってカンジ。アッシュとナタリアが、怖いのなんのって。あれくらいやれば、猿でも身につくんじゃねーの…」

 なかば、やけのようにぼやくルークに、その勉強風景が目に浮かぶようだった。ティアが笑っていいのか、慰めた方がいいのかと迷っていると、そう言えばとルークが続けた。

「ティアはさ、ダンスとかも出来るのか?」

 普通に聞いて来たので、ティアもそのまま返した。

「ええ、一応、たしなむ程度にはね」

「俺も習ったんだけど、ワルツがやっとってとこなんだ」

 溜息混じりにルークが漏らすのを、ティアは意外な思いで聴いた。ルークの運動神経はかなりのものだし、礼儀作法やしきたりを覚えるより、躯を動かす方が好きなはずだ。踊りの一種である、剣舞をガイとしていたのも知っている。

 ティアが不思議に思っていると、ルークの愚痴でその理由が判明した。

「練習相手が、ナタリアだろ。間違って足踏んだら、アッシュに殺されそうなんだよ…」

 前からナタリアには特別扱いをしていたアッシュだが、名実共に婚約者となった今は、ナタリア至上主義に拍車がかかっているのだろう。その割り切り方は、清々しいとさえ思える。

 ――ルークとアッシュって、完全同位体だけど、ルークもアッシュみたいになるのかしら?――

 ルークはアッシュほどひどくはないだろうが、優しくて真直ぐな彼のことだから、きっと選んだ人は大事にするだろう。

 ルークがぶつぶつと愚痴っているのに、適当に相槌をしながら、そっとルークの横顔を見る。文句を言っているのに、どこか楽しそうな表情は、月光に照らされ、端正な貌をはっきりと見る事が出来た。ティアは一瞬、見惚れそうになり、急いで視線を足元に逸らした。

 人の容姿など気にしていなかったティアだが、最近は一応の基準が判断できるようになった。そして改めて見ると、ルークは整った造作をしているのだ。

 今夜でも集まった貴族の令嬢の多数は、ルークを視線で追っていた。アニス的に言えば、家柄・財産・容姿の三拍子の揃った優良物件である彼を、気にしない筈がない。

 その中の誰かに、ルークが手を差し出すのを想像したティアは、苦しさを抑えるように胸に手をあてた。

 そんなティアに気づかないルークは、溜息まじりに呟く。

「今んとこ予定はないけど、憂鬱だよ…。ナタリア以外は、もっと気を使いそうだし…」

「私じゃ、駄目かしら?」

 反射的に返してしまい、ティアは慌てて言い訳を始める。

「ほら、私ならルークも気を使わなくていいでしょ。それに、足を踏まれないように避けるのも、出来ると思うけど…」

 本当は、ルークが他の誰かと踊るのを見たくない、それだけの気持ちしかなかった。それを隠す為に、早口でつい最後は尻すぼみになってしまう。

「えっ、いいのか!?」

 とってつけたようなティアの言葉に、ルークは驚きと喜びが混ざった声を上げた。そして、ティアの顔を覗き込むと、念押しをしてくる。

「なあ、ほんとに、ティアが俺と踊ってくれるのか?」

 ルークのどこか不安そうな様子を見ると、ティアは頷くしか出来なかった。けれどルークはそれで嬉しそうに笑ってくれるから、もう取り消しは出来なくなってしまう。

 

「なあ、ティア。あの時もこんな月だったよな…」

 ルークは、夜空を見上げた。ティアはそれがいつの話なのか、すぐに思い出すことが出来た。エルドランドを見ながら、二人並んで月明かりの下で、話したあの夜――。

「俺、あの時思ったんだ。こんな綺麗な月、もう見れないんだろうなって…。でもさ、なんでかな、今日の月のほうがもっと綺麗に思うんだ…」

「それは…」

 今のルークには、あの時に見えなかった未来がある。これからの時間がそう思わせるのではないかと言おうとして、それが少し違うようにも感じる。だからティアは、そうねとだけ呟いた。

「なあ、ティア。月が綺麗だな――」

 立ち上がったルークが、ティアに背を向け、もう一度月を仰ぎ見る。その声音は落ち着いて、彼を大人に思わせる。そんな風に言われたら、胸の中がざわめいて苦しくなる。それはきっと、自分に限ったことでないだろう――。そんな考えがティアに浮かんで、それを打ち消すように昔に聞いた話を持ち出した。

「そんな風に、『月が綺麗ですね』なんて、あまり言わない方がいいわ。古い表現だけど、それは――」

「知ってるよ」

 ルークがティアの言葉を遮った。そして、月を見上げたまま続けた。

「前にさ、ガイが教えてくれたから」

 それはホドで使われた表現だから、ティアと故郷が同じガイが知っていても不思議ではない。

 ルークは振り返ると、もう一度ゆっくり同じように繰り返した。

「月が綺麗ですね」

 その言葉は、『愛しています』と同じ意味を持つ。今のルークは、月ではなくティアを見つめている。その意味に思い当たると、ティアは息を飲んだ。おそらくルークは、今夜、月が見えなくても、同じ言葉を使ったのだろう。

 逆光でルークの顔はよく見えないが、耳が赤くなっているのは見える。自分の顔がそれに負けていないのは、頬の熱さでよくわかった。

 ルークがゆっくりと近づき、手を差し伸べてくるのがわかっていながら、ティアは顔を背けるしか出来なかった。返事の代わりは、お決まりの言葉しかない。

「――ばか…」

 

 

 

                                   FIN

 

 

                                 

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