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テイルズオブ  

今宵、月が見えずとも ―Side Tear― Act1

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ティアサイドです。

ルークサイドとは違って、ハッピーエンドです。この二人は、本編が報われないので、ラブラブさせたい!!
短く纏めるつもりだったのに、状況説明だけで、かなり長くなってしまいました^^;
というか、ルークが一言もしゃべってないAct1です。



今宵、月が見えずとも  ――Side Tear――

 

Act1

 

 一通りの挨拶を終えて、人の少ない広間の隅に腰を落ち着けると、ティアはほっと息を吐いた。

 公式の場――貴族の集い――に出席するようになり、それなりの数もこなしてきたが、やはり窮屈で場違いな思いが消えることは無い。

 此処はキムラスカであり、知り合いも少ないから余計にそう感じるのかも知れない。彼女の知り合いは、その誰もが今日の主催者側で、忙しそうに来客の対応をしていた。

 

 そこには、奇跡の生還を果たしたルークとアッシュの姿があった。

 成人の儀があった日、タタル渓谷で起きた事は今も夢のようだった。

理由はあのジェイドですらわからないようだったが、音素剥離で消える筈のルークと、エルドランドで命を落とした筈のアッシュ、二人ともが還って来た。

すぐさま墓が取り壊され、アッシュはルークの双子の兄としてファブレ家の子息と公表されるとともに、王女ナタリアの婚約者となった。

そこには様々な経緯や問題があったのだろうが、キムラスカの人間ではないティアには、詳しくはわからない。ただ、この成人の儀の日取りが、二人が戻ってから数ヶ月を要したことから推察するのみだ。

とにもかくにも、一応の決着を迎えた今日、改めて今度はアッシュとルーク二人の成人の儀を行うことになったのだ。そしてこの場は、正式なアッシュとナタリアの婚約披露も兼ねた盛大なものだった。

 

 喉が渇いたので、何か飲み物を貰おうかと、給仕人の姿を探していると、傍らからすっと、グラスが差し出された。見れば、ミネラルウォーターの中に氷が浮かんでいる。

 グラスを受け取り、気遣いに礼を言おうとその相手を見上げる。

「メシュティアリカ嬢、今宵もお美しいことで――」

「全くだ。壁の花にはもったいないな」

 ティアは芝居じみた仕草で礼をする二人を見上げると、苦微笑を浮かべる。そして、貴族社会で培われた令嬢らしさで、挨拶を返した。

「あら、カーティス将軍とガルディオス伯爵では、ありませんこと」

 わざわざ普段は口にしない肩書きで呼んだのは、意趣返しだ。最初に堅苦しい呼び方をしてきたのは、そちらの方だ。

 ティアのささやかな仕返しに気づいたガイが、罰が悪そうな表情をした。

「…参ったな。そう返されるとは思わなかったよ」

 一方、悪いとは微塵も思っていないだろうジェイドが、にこやかに笑みを浮かべながら、拍手をする。

「すっかり、貴族の令嬢が板につきましたね。見事なものです」

 相変わらず、それが嫌味なのか本音なのか判別の付かないジェイドは、ティアの横に腰を降ろした。

 ティアは何か言い返そうかと考えたが、無駄だと思い直して、話題を変えることにした。これも、この三年ほどで身に付けた処世術の一つだ。

「いいんですか?マルクトの代表の二人が、ここにいて…」

「構いませんよ。必要な挨拶は済みましたしね」

「俺も堅苦しいのは苦手だから、最小限の義理を果たした所で、退散してきたって訳さ」

 ジェイドに続いてガイまでが肩をすくめながらそう言うと、ティアはやっと表情を緩めて微笑んだ。お互い立場や肩書きが変わっても、本質は変わっていないと思うと安心する。

 

 ユリアの予言が司っていた世界が大きく変貌してから、三年余り――。世界だけではなく、ティアを取り巻く環境も大きく異なった。その一つがティア・グランツではなく、本名のメシュティアリカ・アウラ・フェンデを名乗るようになった事だ。そしてそれに付随して、彼女はマルクト帝国の人間として貴族に名を連ねている。

 表面上は、マルクトとキムラスカの戦争で故郷と家族を失った彼女への保障と、今回の戦争締結と世界の救済に関わった褒章としての措置となっている。しかし、その裏にはティアの身の保全が大きな意味を占めていた。

 神託の盾騎士団内で、ティアがヴァンの妹であることは周知の事実だった為、ヴァンの行動への関与を疑い、その責任を彼女に転嫁する動きが起こる可能性があったのだ。

 その危険を憂慮した義祖父テオドーロは、マルクト側に相談を持ちかけた。その結果、ティアはマルクト貴族兼ユリアシティ市長の孫として、マルクト、キムラスカ、ダアトの連絡調整を担うこととなった。

 マルクトのピオニー、キムラスカのインゴベルト、ダアトのトリトハイムというトップと知り合いであり、身元も確かな彼女は、その役目には打ってつけの人材でもあった。

 また、皇帝や国王に直接面会する公式な使者として行動するために、貴族という肩書きは必要だったのだ。

 

「それに、我々は数年前まで敵対していた国の人間です。あまり目立つのも不味いでしょう」

「まあ、それもそうなんだが――」

 ジェイドの後に続いたガイが、言いよどんだ。ガイはティアから少し距離を取った場所に立ったまま、視線を回りに巡らせた。

 ティアもそれに倣って周りを見てみたが、こちらを敵視している視線は感じない。神託の盾騎士団を退役しても、感覚は鈍ってはいない。それどころか、裏表のある貴族社会で、向けられる悪意には鋭くなっている自信があった。

「こちらは、貴族の選民意識が根強く残っていますからね」

 そこでティアは、ジェイドの言わんとしている事が理解できた。

 今日は公爵家子息の成人の儀の祝いであり、婚約披露も兼ねている為、キムラスカ貴族だけでなく、マルクトの代表としてティアと彼ら二人も招待されていた。

 ローレライ教団で導師を目指して奮闘しているアニスも、この場に出席したがったのだが、フローリアンが風邪をこじらせ寝込んでいる為、やむなく欠席をしている。

 彼女が居れば、もう少し気分も違うのだろうと、明るいアニスの声を思い出した。

 

 しかし本来の主役である公爵家子息への挨拶を終えた客達は、来客同士が集まり談笑に夢中になっている。おそらく貴族間の情報交換なのだろうが、本来の祝う姿勢が感じられない。見ていて、それはあまり気分の良いものではない。

 そしてマルクトの人間である自分達には、全く関心を向けてこないのは、自分たちの利益に直接関係がないからだろう。

 貴族といっても後ろ盾や財力のないティアや、軍人のジェイド、伯爵位しか持たないガイは眼中にないということだ。

 

「まあマルクトとは、かなり違うよな…。それも国を統べる人間の違いかね…」

「何せ、マルクトはあのピオニー陛下ですからね――」

 ジェイドが珍しく感情の篭った溜息を吐くと、ガイまでも苦笑を浮かべた。二人とも良く言えば朗らかな、はっきり言えば破天荒な皇帝に苦労しているらしい。

 ティアは二人から目を移して、今日の主役達に視線を向けた。ファブレ公爵の隣には、王家の血統を示す赤髪が並んでいた。けれどよく見れば、その色合いは少し異なっている。公爵のすぐ隣は父親とよく似た赤色だが、その隣は色合がもっと明るく毛先は朱色がかっている。そして赤色の髪をした子息――アッシュ――の傍らには、嬉しそうなナタリアの姿があった。

 ティアと同じように、ガイも主役達に視線を向けると、呆れたような声を出した。

「おいおい、アッシュの奴、もうちょっと嬉しそうな顔は出来ないのかね。自分の婚約披露だろうに――」

 確かに無愛想なのはいつもどおりだが、眉間の皺が無いことが、彼の心情を表しているように見えるのは、それなりに付き合いのある人間にしかわからないかもしれない。

「ですが、愛想の良いアッシュというのは、想像しにくいでしょう。まあ、それはそれで、見てみたい気もしますが…」

 ジェイドの言葉で、笑顔全開のアッシュを想像しそうになったティアは、慌てて首を振り、想像を打ち消した。そんなもの、下手な怪談話よりも数倍に恐ろしい。

 横ではガイも同じ事を考えたのだろう、ぶんぶんと音がするほど首を横に振っていた。

「まあ、横のルークがその分、頑張っているんじゃないですかね」

 フォローのつもりなのか、気休めにもならないようなジェイドの言葉は、ガイにとっては覿面の効果があったようだ。

「そうだな…」

 ガイは動きを止めると、感慨深そうに呟いた。その視線の先には、軽く会釈しながら、客に応対するルークの姿があった。

 確かに穏やかに笑みを浮かべて対応する姿は、彼が成長したことを現していた。立ち居振る舞いも、貴族の子息として申し分は無いものに見えた。その反面、そこに居る彼が、自分の知らない人間に思えて、たまらず目を逸らせたティアはそこで絶句した。

 そこには、涙をこらえるガイの姿があったのだ。まるで、我が子の結婚式の父親のような姿に、変わるのも寂しいが、あまりにも変わらないものどうかと考えた。

 

 

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